南日本新聞 H13 4/15
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南日本新聞 H13 4/21
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鹿児島新報 6月22日
溝辺町竹子の上宮川内地区で、網掛川流域環境共生プロジェクト 唱歌「ふるさと」にある里地・里山の環境復元を目指し、鹿児島大学(田中弘允学長)と姶良郡溝辺町のステビア栽培米生産組合(岩澤豊会長)などがスタートさせた「網掛川流域環境共生プロジェクト」は21日、地元の地域づくりグループや園児、児童らも参加し、同町竹子上宮川内地区の40eの実験田んぼに150羽のアイガモを放った。同プロジェクトは、無農薬・循環型農業により環境復元を目指すとともに、安全な農産物の地域流通を促進し、農家の経営と生活の安定を図るもの。同町の竹子小学校もメンバーに加わっており、児童が地域の自然環境と農業の大切さを学ぶ場ともなる。 この日の放鳥会には、同町の照明保育園の園児20人と竹子小学校5年生9人が参加し、竹子小の壱岐のぞみさんが「米作りに歩き回る姿を見に来ますので、アイガモさん、がんばって」とあいさつ。園児らは、小さなアイガモを抱きかかえ、田んぼに放していた。 萬田正治・鹿大副学長は「戦後の農業は、農薬の使用で生産性は上がったが、自然が消えていった。10年前から研究を続けているアイガモ農法を実践し、自然環境を取り戻したい」と話した。 |
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南日本新聞 6月22日
アイガモ135羽放鳥/溝辺・網掛川プロジェクト
−環境復元へ実験開始 溝辺町竹子で鹿児島大学と地元の農業者グループなどが取り組む「網掛川流域環境共生プロジェクト」実証水田に21日、実験の主役となるアイガモ135羽が放たれた。有機農業を軸にした流域の環境復元への試みがスタートした。 放鳥にはプロジェクトメンバーのほか近くの竹子小児童らも参加。生後10日のアイガモのひなを1羽1羽手のひらで包み「頑張って」と声をかけながら水田に放した。5年生の壹岐のぞみさん(10)は「アイガモで自然に優しい農業ができると聞いた。大勢の人が取り組めば地球が緑でいっぱいになるのに」。プロジェクトを指揮する鹿児島大学の萬田正治副学長は「有機農業としてのアイガモ農法をさらに一歩進め、自然を取り戻そうという取り組みがいよいよ始まった。この情景を夢見て、30年間学問に取り組んできた」と、水田を駆け回るアイガモたちを感慨深げに見守った。 アイガモは稲穂が着く8月ごろまで水田内の雑草や害虫を捕食。そのふんは肥料になる。また動き回ってイネに接触することが中耕や水のかくはん、茎を太くするなどの効果を与えるという。 同プロジェクトは鹿児島大学が全学合同研究として取り組む「大地・食・人間の健康を保全する環境革命への試行」の一環。同日は萬田副学長が「暮らしと環境を守る合鴨農法」と題して講演。プロジェクトの今後の取り組みについて説明会も開かれた。 |
MBC放送 6月22日
網掛川環境共生プロジェクト[06/22 12:06]
姶良郡溝辺町で今、全国初の取り組みとして鹿児島大学と地域が協力して、無農薬農業で昔の自然環境を取り戻す試験が行われていますが、きのう水田にアイガモが放されました。これは、溝辺町の網掛川源流域にあたる竹子の棚田40アールの水田を使って、鹿児島大学の農学部が中心になって研究してきた、環境保全型農業の成果を実証しようというものです。このプロジェクトには県と町や地元の農家など12の団体が参加しており、唱歌「故郷」に出てくる自然環境を再現することを目標にしています。きのうは地元の児童と園児らも参加して、生後1週間ほどのアイガモのヒナ150羽が放されました。このアイガモ農法を中心とした完全無農薬の取り組みは第一段階として3年間続けられ、10年間で元の自然を取り戻す計画です。
南日本新聞 平成13年8月30日
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鹿児島新報 H13 9/5
鹿児島新報 H13 9/9
網掛川流域環境共生プロジェクト、中間報告
里地・里山の環境復元を目指し、鹿児島大学と姶良郡溝辺町のステビア栽培米生産組合などが取り組んでいる「網掛川流域環境共生プロジェクト」の第2回委員会が7日、同町竹子の竹寺であり、プロジェクト委員らが、栽培管理、環境調査などの中間報告を行った。
委員会では、県環境技術協会による水田内の生物調査結果、鹿大農学部によるアイガモ農法の技術的効果などが報告された。プロジェクト委員長の萬田正治・鹿児島大学副学長は「収穫後の3回目の委員会で、具体的な分析・検討を行い、来年に向けたプロジェクトを進めていきたい」とした。
続いて、昔ながらの水力を使った精米用道具、迫太郎(さこんたろう)製作プロジェクト、ふるさと文化ロードプロジェクトなどの今後の取り組みが発表された。ふるさと文化ロードは、同町の佐藤医院院長で歌人の佐藤山人さんが、実験田んぼのアイガモたちの活動を詠んだ短歌の看板を、付近の道路に設置しようというもの。佐藤さんは自作の短歌12点を発表した。
また、肝属郡内之浦町で環境共生プロジェクトに取り組む、財団法人カラモジアの加藤憲一理事長が「21世紀型コミュニティづくりへの挑戦」のテーマで基調講演を行った。地域交流会では、宮崎県えびの市と内之浦町の代表者が現在の取り組みについて説明し、意見交換を行った。
鹿児島新報 11月3日
▼溝辺町環境共生プロジェクト、水力精米機
鹿児島大学などが取り組む、姶良郡溝辺町竹子の網掛川流域環境共生プロジェクトの実証水田で10月30日、水力で動く昔ながらの精米機「迫太郎(さこんたろう)」の打ち始め式があり、製作した町ステビア栽培米生産組合(岩澤豊代表)のメンバーや溝辺小学校4年生約40人の児童らが完成を祝った。
同生産組合の久木田貞洋さんを中心に、8月末からクロマツの木を使って製作を始めた。実証水田の中に据え付けた後にも、小屋作りや迫太郎の軸受けの部分などの調整を続け、迫太郎の片方が打ち下ろす部分に大きな石を置き完成した。
打ち始め式では、同プロジェクト委員長の萬田正治・鹿大副学長が「網掛川のきれいな水と、水力を使った迫太郎の精米で、自然の力で作った究極の米が出来上がった」とあいさつ。テープカットの後、水をいっぱいにして動き出す迫太郎の様子を、子どもたちは興味深そうに見守っていた。迫太郎は、3`の米を約6時間かけて精米する。
岩澤豊代表は「1年目は、棚田の管理の難しさを教えられた。地域のみんなの協力で迫太郎が完成し、来年からは収量を上げて経済的な面にも力を入れたい」と話した。同プロジェクトの「ふるさと収穫祭」が、11日午前10時から実験田んぼ近くの宮川内池公園で開かれ、おいしい米の試食会、野外コンサートなどがある。
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2001/12/02 |
■二つの情景 近ごろの取材で強く印象に残ったシーンから。 アイガモ農法で環境復元を図る溝辺町竹子の「網掛川流域環境共生プロジェクト」実験田を、ベトナムの農業関係者9人が視察に訪れた。“うさぎ追いしかの山”を後世に残す−その思いを形にしたいと地元メンバーが復元した水力精米機・迫ん太郎を見た一行は「ベトナムにも同じものがある」と大喜び。 グエン・バン・ビンさん(32)は、棚田まで故郷と似ていると感激し、その場で迫ん太郎のリズムを織り込んだ故国の歌を披露し「日本の近代都市は想像通りだったが、豊かな自然環境もしっかり守ろうとする日本人の心に触れた」。まだまだ先の長いプロジェクトだが、メンバーにとっても励みになる出会いだったことだろう。 続いて蒲生町であった秋祭りの会場の一こま。女性の会のメンバーが来場者の持ち寄るごみを黙々と仕分けしていた。容器や割りばしにこびりついた食べかすを、いとわず素手で取り除き、バケツの水で丁寧に汚れを落としてリサイクルへとまわす。「ふるさとのため、できることからやろう」。環境問題を勉強してきた女性の会が出した結論だ。 それぞれの町に生まれた点が線となり、面へと広がる姿を思い浮かべる。グエンさんの言葉に、胸を張って「そうでしょう。これが鹿児島モデルです」と答えられる日が待ち遠しくなってくる。 (加治木支局・西伸樹) |